2009年3月8日日曜日

千利休!

最近千利休に興味が湧き、第140回直木賞受賞作でもある「利休にたずねよ」を読んだ。作者は、山本兼一さん。茶人として茶の湯を完成させた千利休、茶の湯だけでなく、政治にも深く関与。時の権力者秀吉と対立、最後には、切腹して果てた。千利休の「茶の湯」の本質、美意識また、そのキーとなる、「緑釉の香合」、がうまくつなぎ合わせ、高麗の女性への想いを含めて「侘び茶」の本質と、「美」を追求した本でした。利休切腹の日から時系列でさかのぼり、若かりし時代の秘密へと向かっていく構成です。

また、雑誌「PEN」の特集日本初のクリエイティブディレクター千利休の功罪。ここでも「茶の湯」を完成させた男として、いまも伝説的な存在の千 利休。純粋な美しさを表現した茶碗「黒樂」や、たった二畳の茶室「待庵」など、茶の湯を通して、衣食住あらゆるものに「デザイン」をもたらし、日本初の「クリエイティブ・ディレクター」という内容。茶懐石では、「家は雨露をしのぐことができ、食べ物は飢えないほどにあればよい」侘び茶の湯における料理の在り方、旬の身近な材料を心尽くしに料理することが大事であるなど多くのことを学ぶことができる。美意識が生んだ、利休デザイン徹底解剖。茶室/樂茶碗/利休形/見立て/|花入/グラフィック/料理/菓子/茶会と、かなりわくわくした内容で面白く今の時代に受け継がれているのが格好いい。利休ゆかりの大徳寺、楽美術館にも足を延ばしたい。

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